Papalagi Never Have Enough Time
20世紀の変わり目(=20世紀はじめ)にサモアから来たTuiavi(ツイヤビ)という名の若い(族)長が、文明の驚異を見るためにヨーロッパを旅しました。けれどもツイヤビは、西洋文化に失望しました。
家に戻った(=帰国した)時、彼らは部族の人々にPapalagi(パパラギ)という西洋の人々の習慣について注意を呼びかけました。
パパラギは丸い金属(=お金のコト。)と重みのある紙(=お札のコト。)を愛し、果物から作られた液体(=ワインのコト。)を飲むのが大好きです。しかしとりわけ彼らは、つかむことは出来ないけれどそこにあるものー(=つまり)時間を愛します。彼らはそれについて馬鹿げた話をたくさんします。
パパラギは自分の時間に決して満足せず、
もっと多くの時間が与えられた(=これ以上の時間をもらった)ことが無いと、“偉大なる精霊(=キリストや神のコト。)”に文句を言います。彼らはココナッツを切り分けるのと同じように、一日を分割します。全ての部分に名前をつけます。秒、分、時間というように。これは理解し難い事です。そんな馬鹿げたことを考えるとめまいがしてきます。(皮肉→)
しかしパパラギは、時間から(たいそうご)立派な学問体系を作りました。男性や女性、そして自分の足で歩くことさえままならない子供でさえも、時間を読み取ることが出来る小さくて平らな丸い機械を持ち運びます。
さらにもっとずっと大きくて重たい時間をはかる機械があり、それは小屋の中に立っていたり一番高い屋根から吊るされていて、その結果、はるか遠くから見ることが出来ます。時間の一部が過ぎるとその機械は叫び声をあげ、その機械の精霊が胸部の鉄を打ちます。そう、ヨーロッパの町に非常に大きな騒音が響くのです。
このような時を告げる騒音がすると、パパラギは「時間が私から逃げていく。」と文句を言います。そして彼らは、また新しい1時間がやってきたにも関わらず、悲しそうな顔をします。私にはこれが全く理解出来ないのですが、病気なのかもしれません。
次の理由で私は、これが病気なのではないかと言うのです。パパラギは何かー日光浴をしたいとか、ボートで川下りをするとかーそんな事をしたいと思っているとしても、彼らはたいていその願望を台無しにし、「私には楽しく過ごす時間なんて無かった。(=遊んでいる暇なんてない!ってコト。)」と考えるのです。時間はそこにある、なのにどんなに彼らが頑張っても時間を見出すことは出来ません。
彼ら以外には誰も彼らにそうするよう強制しなくても(=そうしろと強制しているのは彼ら自身なのに)、彼らは自分から時間を奪う多くの物事の名前を挙げ、仕事に精を出します。
パパラギの中には、時間が全然ないと言う者もいます。彼らは目的もなく走り回り、どこへ行こうが不幸をもたらします。これはどんな薬によっても治療できない病気です。全てのパパラギは自分の時間に対して恐怖心を持っているので、彼らは誕生して以来、月と太陽が何回昇ったのか正確に知っています。自分が誕生した日はとても重要なので、その日は食事をする儀式を行ってお祝いをします。年を尋ねられて私が笑いながら答えられなかった時、他の人が私を哀れんでいると何度感じたことでしょう!「あなたは自分の年を知っていないといけません。」私は年など知らない方が良いと思いました。
時間が充分あるひとはほとんどいません。おそらく1人もいません。だからほとんどの人が、空に放り投げた石のように人生を走り抜けていきます。彼らのほとんどが歩くときは地面を見下ろし、より速く移動できる様に出来るだけ前方へと腕をふります。
たった1度だけ私は時間が充分にあり、文句を言わない人間に会いましたが、彼は貧しく誰も彼を敬いませんでした。彼は慌てずに歩き、目は物静かで朗らかな笑みがありました。しかし私が尋ねた時、彼は「私は時間をどう使って良いのか分かりません。だから貧乏なのです。」と、悲しそうに言いました。この男性は時間はあったけれども、彼もまた不幸でした。
パパラギはあまりに強く時間を握り締めているので、時間は彼らから逃げていくのです。時間の方からやって来るのをパパラギは許しません。彼らはいつも手を伸ばして時間を追いかけ、時間が休んだり日向ぼっこをしたりするのを許しません。
あぁ、愛しい同胞たちよ。私達は時間の事で文句を言ったことが1度もありませんでした。私達は時間に満足しているし、
手に余る程の(=持ちきれない程の)時間を必要とはしません。私達はかわいそうな混乱したパパラギ達を、幻想から解放してやらなければなりません。私達は彼らに時間を取り戻させてやらなければなりません。彼らの小さくて丸い時間をはかる機械を壊し、
日の出から日没まで(=一日)の間にはどんな人間にも使い切れない程の時間があるという事を彼らに教えなければなりません。

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