2006/7/12
暗雲は沈黙を破り
雷鳴を響かせて
シャワーを大地に叩きつけた
人々は沈黙して待っている
外国の人はたどたどしく
電車の行き先を聞いている
私はオーケーサインを出してあげた
高校生は黙って
背中を濡らしたまま立っている
頭と顔をぬぐいながら女子高生も黙っていた
少年は遠くのほうに立っていて
おばさん
こっちにおいでよと呼んでくれた
長い細い道が続いていた
その先は見えない
雨の音の中で
夢を見た
白い空の下
紫陽花が揺れていた
しとやかに葉をふるわせ
花はなにもなかったかのように
たたずんでいた
土の香りと
雨のにおいを風が運んできた
私は少年に言った
壷がなくなりました
健康という壷をなくしましたよと言った
静かに微笑んで
優しいまなざしで
少年は
おばさん生きてねと言って
大きな壷をさしだしてくれた
雨のしずくで潤った
あざやかな紫陽花の花がたくさん
花がたくさん
さしてあった
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