この数ヶ月間、何故か埼玉交響楽団でのオーケストラ活動が、以前のようには楽しめなくなってきています。自分のレベル低下もあるとは思いますが、もしかしたら、自分の音楽に対する期待水準が若干高まった結果かもしれません。後者だとすれば客観的には望ましいことなのですが、自分のレベルの高まりを伴わない場合には相対的に期待値との乖離を広げるだけなのでストレスの増大あるのみということになってしまいます。
いずれにしても、音楽を楽しむための活動が逆の結果につながっているとすれば活動の意味はほとんどありません。
加えて、私を取り巻く環境条件にも変化がありました。最近、相次いでファゴットの若き新メンバーが入団したのです。育児休団中のYさんを含めるとファゴットパートは4人の大所帯となりました。新メンバーの様子を見ていると、ずっと昔の自分を思い出します。当時の私は、今の新メンバーとは比べものにならないほどの稚拙なファゴット吹きでした。他の団員に迷惑をかけながら、みんなに支えられて何とか今まで続けてこられたのです。埼玉交響楽団のおかげで、30年以上にわたり音楽の内側からの楽しさをたくさん味あわせていただきました。この楽しさを新メンバーの皆さんにもできるだけ早く味わってもらいたいと思います。そのためには、他の団員やコンサートに足を運んでくださるお客さまにも、ある程度寛容な気持ちで新メンバーを受け止めていただき、同時に新メンバーの皆さんもそのことをしっかりと自覚していただいて、前向きに、かつ謙虚に音楽に取り組んでほしいと思います。
そして、Yさんの復帰も近いと思われますし、若き新メンバーのこれからの活躍を期待する意味からも、そろそろ私にも埼響ファゴット奏者としての活動に区切りをつけるべき潮時が近づいてきたのかなと感じています。
たまたま、室内楽やソロ活動への興味が強まってきていますし、和声の研究にもおもしろさを感じ始めてきているところでもあります。アマチュアオーケストラの団員としての純粋な活動にたくさんのやりがいを感じさせていただいたことに心から感謝しつつも、そろそろ埼響を離れて私なりの新たな道を探すべき時が来たように感じるのです。もちろんプロを目指しうる実力もなく、年齢を考えれば将来的な実力アップにも限度があることは明らかです。どの道を選ぶにしても「中途半端」を受け入れざるを得ないのが実情です。しかし、そのことを承知した上で、つまり、これまでにも何度も感じてきたある種のもどかしさを受け入れた上で、私にとっての最善(次善?)のあり方を模索したいと思います。それは、プロでもアマでもない、私なりの独自の音楽世界を切り開くことに他なりません。経済基盤を支えるためのパート労働者であると同時に、地域の音楽文化向上へのかかわりやボランティア活動に力を入れるアマチュアファゴット奏者であり、あわよくば、一段とハイレベルな演奏活動に取り組むセミプロ演奏家となり、さらにはファゴットを離れた創作、アレンジ等の新分野を開拓するそれなりのクリエーターとしても活動する・・・、さまざまな顔を持った前向きな音楽愛好家として、やりたいこと、やるべきことに着実に取り組んでいくのがよいかなと考えています。
人との比較ではなく、つい甘えてしまいがちな自分に負けないことの大切さを自覚し、自分で自分の背中を押しながら、昨日よりも今日、今日よりも明日と少しずつでも自分の世界を広げ深められるよう努力することに価値を見出していきたいと思います。
私にファゴットの素晴らしさを教えてくれた愛すべき埼玉交響楽団については、県北の老舗アマオケとしてこれからも長く人々に愛されるオーケストラであり続けてほしいと思っています。

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