本格的なオーバーホールを行ってから約半年が経過したところです。
基本的に調整がうまくいっているようで、いい感じなのですが、先月の中旬くらいからいくつか不具合が生じました。
具体的には、ダブルジョイントの2つのキー(もしくはタンポ)の動きが時折、わずかに鈍くなってしまうのです。一つは、高音の、たとえばFやF#からGに移るときにクローズからオープンに変わるキー(右手中指に連動しているキーです)のもどり(つまりオープンアクション)が一瞬遅れることです。右手人差し指と中指の間に位置している小さなキーがトーンホールに貼り付いてしまい、戻りアクションがわずかに遅れるのです。これについては、オーバーホールをしていただいた某リペア業者さんに修理をお願いし、現在では何とか改善していますが、実は、改善までに3回楽器の運搬を余儀なくされてしまいました。1回目、2回目とも、リペア業者さんの現地で修理後に確認したときには、改善されたと思われたのですが、帰宅した翌日に自宅でいつもの練習を続けていると、しばらくして(30分くらい)、また同じ不具合が出てしまったのです。
今から思えば、気温や湿度が少しずつ高まってきたことが影響していたようにも思われますが、不具合は不具合です。がっかりした気持ちで仕方なく再度、その業者さんに連絡して、もう一度見てもらうことにしました。3回目の修理で何とか問題を解消できたようです。修理後に、その業者さんの創業者のかたから不具合の原因や修理内容について、考えられる詳細を丁寧にご説明いただき、とりあえず不安を解消して楽器を持ち帰ることができました。その後、自宅で長時間練習しても、同じ症状は出ていません。
しかし、喜んでいたのも束の間、やはりダブルジョイントがらみで、二つ目の不具合が発生してしまいました。今度は、右手薬指のGキーがらみです。このキーを押さえると、複雑に連動して反対側のトーンホールがクローズするようになっていますが、抑えた後にキーをはなしたとき、やはりわずかにタンポの戻りの遅れが生じるようになってしまったのです。
さすがに、続けざまに同じ業者さんに見てもらうことには気が引けて、今度は、かつてお世話になった個人営業の修理屋さんのことを思い出し、連休明け早々そのかたに見ていただきました。その結果、メカには特に問題はなく、オーバーホールで取り替えたばかりのタンポに、トーンホールのニスが何らかの影響で沁み込んでしまったのではないかとのことでした。湿気を取るなど、その場で可能な処置をしていただき、しばらく様子を見ることにしましたが、約1週間を経過した今のところ、症状は現われていません。その修理屋さんによると、コンサート本番中の非常事態に備え、緊急湿気取り用の「パウダーペーパー」なるものを用意しておくといいとのことでした。
今回の不具合に遭遇して、ファゴットという楽器の繊細さを改めて肌で感じました。ほこりや湿気を放置しないよう、これまで以上に日々のメンテナンスをしっかり心がけたいと肝に銘じた次第です。

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