公営金沢競馬の渡辺壮(わたなべたけし)騎手が先月引退を表明しました。
全国的には聞き慣れない人もいるかと思いますが、地元金沢の競馬ファンで
この名を知らない人はいません。
平成3年〜7年、11年と金沢競馬リーディングジョッキーに輝いた名手です。
その中でも圧巻は平成7年シーズン。この年の渡辺騎手は465の騎乗機会に対して
勝利数は194。なんと勝率.417 連対率はなんと6割を超えていました。
武豊が年間最多勝利記録を更新した昨年の連体率が.398ですから、この数字がどれだけ
凄いかがわかってもらえるかと思います。
とにかく、私が良く通った頃の渡辺騎手は全盛期で、乗れば勝つという感じでした。
(まさに優駿の門の光優馬そのもの)
その渡辺騎手にも弱点があって、とにかく体が弱いということ。
いつも病気がちで、その日競馬場に行ってみると、渡辺騎手の乗り代わり変更が発表ってことは
日常茶飯事だった気がします。
酒好きで有名だったこともあり、ファンの間では肝臓を悪くしてるのでは?と心配する声が
あがったりしていました。
一度こういうことがありました。
いつものようにパドックで馬に跨った渡辺騎手に、どこぞのおっさんが
「おうタケシ。今朝方、片町(金沢では有名な夜の街)で見かけたけど、酔ってないやろうな?
ちゃんと乗ってくれよ。大金賭けとるんやさかい」
と声をかけられ、周りから笑いが・・・。
とまあ、ファンの皆からも大事にされ、愛されていたジョッキーでした。
その渡辺騎手もここ5年ほどは、体調が思わしくなく騎乗機会が他の騎手の半分ほどに落ち込んでいました。
それでも、勝ち鞍は他のリーディング上位騎手と同等ってところが渡辺騎手の天才たる所以です。
が、昨秋、調教中に脳梗塞を発症。そのまま落馬し、一時は生死をさまよう状態に。
命に別状はなかったもののその時の後遺症で左半身の自由を失いました。
復帰にむけてリハビリ、トレーニングを行っていたそうですが、結局復帰はかないませんでした。
先月15日に公式ブログにて引退を発表されました。
私にとっては、競馬を始めた時からずっと身近で見てきた憧れのジョッキーでした。
名馬ミスタールドルフの主戦も実はこの渡辺騎手です。
絶頂期の渡辺騎手を生で観戦できたことは、私にとってはいい思い出です。
渡辺騎手は今後は故郷の秋田に戻って第二の人生を送られるそうです。
長い間金沢競馬のファンを楽しませてくれてありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。渡辺騎手の今後のご活躍をお祈りしております。
渡辺壮騎手(38歳、平床良博厩舎)
通算成績 7,701戦2,086勝(その他、JRAで20戦1勝)。
重賞勝ちは、白山大賞典4勝の他、ミスタールドルフで制したダービーグランプリ(93年、水沢)、
ホシオーとのコンビ8勝など、合計114勝。

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