難波ロックライダーの仲間たちと程よく打ち上がり、次の街、大須を目指して夜の高速を走っている時だった。
しゃべり疲れた車内のアチコチからスゥスゥと寝息が聞こえ始め、俺も途中で寄ったサービスエリアで出発間際にあわてて買ったソフトクリームを食べ終わりウトウトしはじめた時だった。
「何だアレ!うわぁマジ!」
ハンドルを握るタケバンブーが叫ぶと同時に、助手席に座るマット青木が叫んだ。
「えっ!UFOじゃねぇ?おい!キング見ろ!UFOだぞ!」
ビックリして飛び起き、半開きの眠気まなこでその方向を見たら、そのUFOらしき物体は強烈な光を放ちながら我らハブノッツ・モービルを誘導するかの様にフロントガラスの前方の暗闇の中で浮いていた。
そんな驚き浮き立つ車内の中でいち早く冷静さを取り戻し、長い付き合いの中でも聞いた事がないくらい感慨深い声色でマット青木がつぶやいた。
「ついに来たか・・・」
そんな良く分からんセリフを聞いた途端に再び睡魔が俺を襲いのん気にも騒動の最中に眠ってしまったのだが、翌朝、皮ジャンのポッケに突っ込まれたソフトクリームの空きパッケージを見て、昨夜の一件は夢では無かったと確認し驚いた。
そんな「未知との遭遇」を今回のツアー中に体験したからでは無いが、宇宙人界のマイ・アイドル、デビッド・ボウイの曲を最近密かに自宅練習中。
一度だけスタジオで遊び半分でやってみたトコロ、ダイヤモンド・トックことトクDもノリノリで「あれ?ウチラの曲、一曲増えたじゃん」とゴキゲンに歌っていた。
どっかでやる機会があればやりたいが、どうなるモノか。
もしも、調子よく、万事オッケーで、この上なくミラクル&幸運にもその機会に遭遇することが出来たなら、感慨深く「ついに来たか・・・」と各々つぶやいて欲しい。

大須で購入したシャツを着て宇宙との交信をこころみるダイヤモンド・トック。
ちなみに、冒頭で紹介したUFO騒動の正体は高圧線の誘導灯だったと後から聞かされ拍子抜けしたが、その騒動の最中もスヤスヤと寝ていたクスモツには、皆が口を揃えてUFO(らしきモノ)を見た興奮をツバ飛ばし証言し、いまだに「あれはUFOだった!」という事にしている。

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