土曜日の夜はインパスターズを観に紅布に。いつもながら、カッコよかった。やっぱあいつらはすげーな。
ライブ後は「今宵三男と共に…」で爆笑して日曜の朝にフラフラになりつつ帰宅してほとんど寝ないで家族と墓参りにいってきた。オリはお盆、お彼岸、大晦日、と墓参りは欠かさない。御先祖様の魂にピュアな心で畏怖の念を抱いているからだ。というのはもちろん嘘でオフクロとネーチャンが怖いからだ。ホントは墓に唾を吐きかけることぐらい雑作もないワイルドな男なんだぜ。ふんがー。
で、ユー君に執拗に見せられたアパッチ野球団のエンディングテーマの映像と曲が二日酔いの頭にこびりついてクラクラになりつつも、後部座席で最近見た韓ドラの話題で母と姉がキャンキャン喚いてる、という状況で助手席で爆睡する兄を見て発狂しそうになりつつも、悪夢のような渋滞と吐き気と眠気とよくわからんハングルないろんな俳優の名前が飛びかうノイズがオリの精神と肉体を蝕むのをリアルに感じつつも、母と姉の機嫌を害なわないようへーこらひーこら墓石をゴシゴシして線香に火をつけ両手を合わせて、なーむー、ってしつつも、心のなかで先祖に、アホ、早く死ね!ってすでに死んでる人に悪態つきつつも、家に帰ったちょうどその瞬間に、ミサイル・コトヨリからメールが届いた。
コトヨリ君は昔ドメニコドモランテというバンドを一緒にやってたオリの地元の高校のクラスメイトだった男なのだが現在はオリの家の近所で実家の酒屋を継いでる。地域に根ざした酒屋の若旦那である。
で、メールの内容は、お前ん家の近所の荒川河川敷が大変なことになってんぞ!早く来い!となっていた。もちろん無視してたらしつこくメールしてきた。とにかく来い!と…。
歩いて5分もかからんトコなんで、眠い目を擦って荒川の土手にいってみた。
そしたら、なんのこたぁない、防災訓練をしてた。
ただ規模はけっこーでかく、梯子車やら放水車やら真っ赤な消防車が何台もいてハリボテの家やらマンションなんかあったりで、参加者も三百人くらいいた。参加してるのはいい大人ばかりでみんな制服みたいなの着てノロノロ動いていた。
で、しばらく観察してると、これはプロの消防士の人達が訓練してるのではなく、なにやら町の消防団の訓練だった。なるへそ、そーいや、アイツ、消防団だったな〜っ、いんのかな〜っ?って探したのだが、まったくわからん。同じ制服を着た足立区中の町の消防団が集められたとおぼしき300人のオッサン共から高校のクラスメイトを見つけ出す。というのがどんなに困難なことか、それはやってみないとわからないと思う。このリアル・ウォーリーを探せ、に根を上げたオリはコトヨリにメールをした。貴様、いったい何処にいやがる?って。
したら、ふふふ、やはりわからんか?オレはお前が何処にいるかチャンと見えてるぜ。と、返してきた。
てなことをやってたら、全員せーいれつっ!ってスピーカーから大音量で聞こえてきた。300人の制服を着たオッサン達がだらりと整列した。いい歳こいたヤロー共がでれっとキヲツケして、ぴーっ!っていう笛で、ぐたっ、って休め!、したりなんかして、なんか可愛かった。したら、足立区の区長のオバハンやら都議会議員やらのクソ長い退屈な挨拶が始まっちゃった。
しかしながら整列したらすぐウォーリー・コトヨリは見つかるかと思ったら、ますますわからなくなってしまったのだ。
するとコトヨリから再びメールがきた。まだ私が何処にいるかわからんよーだな、このぼんくらめ!アホな貴様にヒントをやろう。今から10秒後にオレが首をおもいっきし振るからよくみてろよ。と。
オレはかなりの集中力で首を振るバカな大人を探したが、やはり全然わからなかった。なぜなら、ここに集まってる300人くらいの足立区で昔ながらの自営業をしたりして町の消防団なんかになるオッサン達が自分の住む区で一番偉い、テカっ!っとした笑顔だけが特徴のオバハンのクソ話やらを真面目に聞くわけがないのだ。防災訓練に好き好んでヤル気満々で参加してる輩がいるわけない。整列してるとはいえ、みんな体がビミョーにフラフラしてるし、首が揺れてるといえば揺れてる。明らかにヤル気0である。うつむいて間違いなく、お前、今、メールうってんだろ?みたいなアホそうな二代目な感じの輩ばかりである。こんな奴等が町の災害を未然に防げるとは到底思えない。オリはこの規模のバカばかり集めたアホの牧場状態みたいな防災訓練にどんだけ血税が使われてるのか考えて唖然とした。だが、その事以前ににコトヨリとしてるウォーリーを探せ!ごっこがめちゃくちゃ楽しかったので、また来年もやってくれねーかな?ってほうが強く思ったけど。
結局、オリは最後まで愛しのコトヨリ君を見つけることができなんだ。終わった後、あれかな?って目星を付けた方向とは全然違うトコで、オーイっ、って笑顔で手を振る奴を見つけ、ちっくしょーっ、そこかよ〜っ!って本気な満面の笑みで手を振り返してしまった。奴の消防団の制服を着た姿はなかなかカッコよかった。
なかなかシュールな夕方までは晴れて気持ちのよい日曜日だった。
今回はけっこー長かったね。相変わらず、だからナニ?って話でしたが…。
さて、みなさん、読書の秋、食欲の秋、です。赤いドリルに行きましょう!
なんちゃって。


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