某バンドのシンガーが学生時代に在籍したサークルの後輩の談話から…
いや、まったくやってらんねーよ。相変わらず、なんなんだよ、あの人。ワケわかんねーのにも程度ってのがあるぜ。そもそも論で、あの人、いや、あの馬鹿を家に泊めちまったのが間違いだったんだな。てゆーか、週末の夜に赤ドリ行くとだいたい酔っ払ってんだよな。アイツ。また、そもそも論だけどさ、あのアホ、客じゃなくてバーテンだぜ。いやバーテンっつっても、たいした酒も料理もでねー古本屋にちっこいバーカウンターがついたって感じね。そこで、バーテンったって、誰でも、いやアホでもできるっつーの!んで、客に酒飲ますのが商売のバーテンが客より酔っ払ってんだよ。んで、アイツときたら、客よりいい酒飲んでんだぜ!おかしな話だぜ、まったくよ。
いや、ほんでさ、週末じゃん?んで、酔っ払いじゃん?アイツ、家が足立区つってさ東京のスラムで、そのスラムんなかでもさらにスライミーなとこに住んでてさ、女房にも逃げられ、荒廃に荒廃を重ねたような生活してっからさ、帰りたくねーんだろうな。すぐ人ん家泊まりたがんだよ。ほんとマジ、めーわくなんよ。泊まらせてもらってるくせしてクソうるせーしよ。やれ、部屋がきたねーだとか、腹へったとかさ。信じらんねーよ。しかも、アイツ、その前日も人ん家泊まってるんだってよ。2日間家帰ってねーんだよ。んで着替えもしてねーし、風呂にも入ってねーしさ、きたねーっつーの!オレの部屋の前にお前なんとかしろっつーの。いい歳こいたオッサンが学生じゃねーんだからさ。アホだよ。んで、朝から月島で古本市あっから、なんつって午前中からいなくなったんだけどさ、ほんと信じらんねーのが、あの馬鹿、オレん家に鍵忘れていきやがんの!マジ、死んでくれ!って感じじゃね?んで、電話して教えてやったら、持ってこい。だって!はぁ?だよ。ふざけんじゃねーよ!
だよ。まじ、先輩だからってリスペクトするナっさんの後輩じゃなかったらぶっ飛ばしてるよ。ほんとミノルさんとクスモっちゃんが、あの人とは二度とバンドやりたくない。って言ってたのがよくわかるよ。クスモっちゃんなんて会うと、あの人の悪口しか言わねーもん、マジで。
でさ、届けてやったよ、アイツの鍵。もう一人でいって生け贄みたいになんのやだからさ、アイツいんの内緒にしてさ、サークルん時の友達二人連れて、月島までさ。したらガンニコでわりぃわりぃ、なんつってさ、アイツ、反省カラー皆無だよ。限りなく透明に近かったね。んでさ、せっかく月島まで来たんだから、もんじゃ喰いにいこーぜ!だってよ。いや、もんじゃは好きだよ。けど、なんでアイツと一緒なの?ってマジみんな思ったけどさ、まぁ、先輩だし、多分おごってくれんだろ?と思っていったら、まさかの割り勘だよ!性格わりーわ、貧乏だわ、なんなんだよ、この男。一緒にいった全員どん引きだよ。んで、ワケわかんねーのが、一軒目いったら、あんま旨くなかったからもう一軒いこーぜ、セニョール。って、もんじゃなんてどこいったってかわんねーよ!だいたい材料一緒なんだからよ。
で、また、もんじゃだよ。プラス相変わらずの馬鹿話アンド悪口な。うんざりだよ。
でよ、これマジなんだけど、もうみんな腹いっぱいもんじゃ喰って、いいあんばいで、やっと帰れる。って店出たら、あのアホ、次、どこのもんじゃ屋行く?だってよ。ほんと馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけどやっぱ馬鹿だな、アイツ。いくら月島来たからってもんじゃ屋3軒ハシゴする馬鹿いねーよ!
え?トクさん、もうよくないっすか?もんじゃ…、って、ついついNOを言える後輩しちゃったら、あーだこーだ、オレがお前らの年齢の頃は、とか、オレがナッさんとワンコそば喰ったときわ、とか、もうウルセーったらねーよ。メンドくせーし、どうせおごってくんねーし、って思って、なるべく安そうな、きたねーもんじゃ屋選んで入ったんよ。したらだよ!スゲー店でさ、マジ、怖そうなヤンキー娘がめっちゃ不機嫌そうに、いらっさいせー。って携帯いじりながらこっち見ねーで言ってんだけど、これがめちゃくちゃ可愛いんだよ!いや、ほんと、もう浜崎あゆみしか聞きませんみたいな感じなんだけどさ、オレ達、文系のひねくれた音楽好きな奴等にしてみたら、絶対に普段じゃお目にかかれない、みたいな感じ?で、スゲー不機嫌なんだよ。もう、恐る恐るオーダーしたんだけどさ、んで、明太子チーズもちベビースターのもんじゃ。って、なんのこっちゃ?みたいなもんじゃがきたんだけど、あの馬鹿が、ニヤニヤしながら、すいやせん、焼いてもらっていっすか?って聞いた
んだけど、アイツ、下町の下町育ちで離乳食がもんじゃだった。っていうぐらいもんじゃ喰ってるし焼いてるし、確かに月島じゃもんじゃを焼いてくれる、っていうサービスあるけどアイツはあくまで自分で焼く、って今までの店でも自分で焼いてたのに?って不思議に思ったんだけど、すぐその意味がわかったね。そのヤンキー姉さんがもんじゃを焼くと、安物っぽいTシャツの胸元からチラチラおっぱいが見えて、あ、もちろん、ブラジャーしてっけど、目のやり場に困って下見るとローライズのジーパンからティーバッグのパンツがチラチラ見えて、ってな感じになんのよ。
初めて、この馬鹿をちと尊敬したけど、高校生なみだよアイツの頭。こういうエロいことにしか機転がきかない脳ミソしか持ち合わせてねーんだよ。あの馬鹿。したら、調子にのってガンガン頼みやがんの。もう喰えねーっす。って言ってんのに。マジ、どんだけ喰ったかわかんねーよ。そのつどヤンキー姉チャンにもんじゃ焼かせて、いやー、ぽっくん生まれて初めて、もんじゃになりたい。って思いました。ってその娘に狂った笑顔で言ったりしてさ。は?そっすか。って冷たくあしらわれてたけどさ。しょーもないよ。
でさ、ほんと呆れかえったんだけど、お会計したら、アイツ、わりぃ、オレ、1000円しかねー。だって!じゃあ行くなよ!ってみんな心で突っ込んだね。
めちゃくちゃですよ。救いようがないね。
ほんと散々な1日だったよ。まったく。
いや、しかし、今度一緒にいかね?その最後にいったもんじゃ屋。

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