友人のウェディングパーティーに、弾き語り初期衝動ユニット「トッキンTOGERTHER」として参列し、額に汗を垂らしながら「Try A Little Tenderness」を時間と声の限り熱唱した翌日、ビッグ・Dことトクティス・レディングから淋しいメールが届いた。
昨日はおつかれ。
ダックダン死んじまったってよ。
俺が初めて持ったベースは、スカイツリーのごとく弦高の高いトーカイ製のプレシジョンベースだった。
「ベース練習するならコレあげるよ」と友人が持ってきてくれた江川ほーじんの教則ビデオは、幸か不幸かその後ビデオデッキに入れる事は一回たりともなかったが、「とりあえず、この1曲のベースラインを完コピしちゃる」とベースを膝にのせて鼻息荒く向き合った曲はオーティス・レディングの『RESPECT』だった。
ベース特有の悪フザケのように太い弦や、どこまでも長く幅広いネックに悪戦苦闘しながらも、ブッカー・T・MG's先輩達とのセッションはすこぶる楽しく、時間を忘れてヨダレ垂らしながら弾きまくっていた。
『I Can't Turn Your Loose』『Green Onions』なんかもアホみたいに弾きまくっていた。
そんなMG'sのベーシストのダックダンが死んじまったらしい。
死んじまったんだ・・・、と思いながら『RESPECT』を聴きつつ何十年ぶりかにあわせてベースを弾いてみたら、当時必死に耳コピして弾いていたベースラインが所々間違っていた事に気がついた。
恥かしながらご報告しますが、俺はベースが上達してるっぽいッスよ。ダン先生!

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