バンドをやる、ってのは、人によって違うかもしれないけど、僕にすると徒党を組む、みたいな感じがあるんすな。馬が合う、とか、仲がいい、とか、好きなものが似てる、とか、そんな奴等が集まってギャーギャーやったりしながら、転がり落ちて苔はやす暇もねぇ、みたいな。徒党を組んで徒労に終わる、って感じ。だから、わざわざ仕方なくバンドにいる、って奴はいない、って僕は思うんすよ。
なんか、真面目な話になって、自分でもちとドキッとしましたが。
なんだかんだ言っても僕は今、自分が居るこのバンドは好きだし、メンバーのことだって、たまに、いや、いつも、まぁ、ムカつく時はありますが、信用してますし、向こうがどー思ってっかは知りませんが、好きではあります。
お金貸して、って言われたら、10円くらいは捨てるつもりで貸してやろうと思ってます。なかなか、言ってしまえば赤の他人に10円貸さないですよ。普通はあげますもん。
ま、何が言いたいか、って、僕はチョコレイツってバンドにいるのは嫌じゃない、ってことですな。
もっとあーしたいこーしたい、あれやりたいこれやりたくない、とか色々ありますが、そりゃ、ま、どんなバンドだって多少はありやす。バンド、ってのは不思議な人間力学で成り立ってるもんです。メンバーを凄く尊敬する時もあれば、マジで死なねーかな、こいつ…って時もあるもんです。
バンド、という集合体で一番ダサいのは、やはり、場違い、ってことです。ピースが違う、って奴ね。その昔、ミックジャガーは、ジグソーパズルになぞらえメンバーを唄いましたが、まぁ、うまく、バチコン!ってはまったバンドってどんなジャンルでもカッコいいもんですよ。逆にどんな素晴らしい音を出しても、ん?みたいな感じで一人でも場違いな雰囲気を醸し出さられるとシラけたりするもんです。向いてるベクトルが違うというやつですな。あ、あくまで、これ僕の主観よ。
バンドはキャラがきちんとパーツパーツで有機的に立ってるのがいんです。ルックスとかじゃないしテクニックでもないね。ミュージシャンとバンドマンはやっぱ違う気がするんだよね。ミュージシャンがやるバンドなんて嫌いだね。ノンミュージシャンじゃないとバンドは。
だから、ソロになるとダメな場合がよくあったりするのやしれないね。ソロってミュージシャンになろうとするじゃん、なんか。どいつもこいつも。なんてね。
あ、あくまでも主観よ。しつこいけど。オレ、好きなミュージシャンもいるよ。勿論。
いや、オレのバンド論なんて、どーでもいんだけど、なぜ、んな、ことグダグダ書いてるか、ってのは、別に誰か辞めるわけでもオレが馘になるわけでも解散する、ってわけでもないんすがね。いや、多分ね。
なんか、バンドを始めた時をふと思い出したんです。
僕が生まれて一番最初に始めて人前で演奏したバンドというのはフレンチポップのバンドなんです。しかも僕が担当してたのはドラムです。僕はなんと自分でさえ驚きの事実。元ドラマーなんですな。ま、今や、見た目ドラマーですが、勿論ドラムなんて叩けません。
バンド名は、1.2.3’sと言います。5.6.7.8’sみたいすが、全然違います。だってフレンチポップですよ。ワンツースリーズなんてアホな小学生でも言えたり赤ちゃん時から英語を習わせて、みたいなクソ可愛げのない幼児が言えば褒められるから、みたいなドヤ顔しながら発音するバンド名じゃねぇのです。アンドゥートロワァーズって言うんす。んで、THEとかじゃないぜ、lesとかが最初につくんじゃねーの。多分。
しかし、なんすかね、フレンチポップって。わしいまだにわからんとですよ。フレンチポップって。
ま、オレ、こー見えて大学には入ってるからね。出てないだけで。しかも、仏文ね。人文学部フランス文化専攻よ。ボリスヴィアンの憤りよ。ランボー怒りのアフガンよ。そんなエスプリ漂う童貞だった僕が生まれて初めて始めて恥めたバンドがアンドゥートロワァーズ。うーむ。人に恥有り歴史無し。であります。歴史なんて嘘つきのつくりもんのでっち上げでございますよ。ペテンの上にそびえ立つ砂の城だね。人が生きた証なんてのは。
いやいや、またまた、ズレはじめてる。
まぁ、オレが大学に入った頃なんてバブルの終わりの始まりみたいな頃、渋谷系が全盛、アニエス着たカマ野郎がフランスギャル聴いてベレー帽被った知的な腐れオメコと美術館でデートみたいな、そんな時代ですよ。そんな奴、まぁ今でもいそうか…わからんが。いや、そんなことも暗い彼女もいなかった暗黒の高校〜予備校時代を送った僕にしてみれば、本当にいるんだ!そんな奴等が!っていう驚きですよ、大学入れば。もう全てが新鮮な驚きに満ちた世界だったね。ホワイトジーンズにサイドゴア、黒いタートルネックにベレー帽被りゃ、誰でもフレンチポップを聴いてる人間、っていう選民意識を持てた時代があったんだな。別に誰がどんなカッコでどんな音楽聴こうがどうでもいんすがね、今も昔も。フルチンでフランスギャル聴いて何が悪いの?みたいな話よ。
そんなことにも気付かなかった童貞渋谷系齧りのコーヒーミルククレイジー糞野郎なオレにサークルのお洒落な先輩が声をかけてくれたわけでございます。なぁ、トク、オレ今度彼女とフレンチポップなバンドやりたいから、お前暇ならドラム叩かない?って。
なるほど、お洒落な人は彼女とバンドも出来るのな!そんなお洒落な人にバンド誘われるなんてオレもお洒落の階段登ってるんじゃ?みたいに嬉しかったんだよね。まぁ、勿論、そんなのコーヒーミルクのような甘い幻想だったんだけどね。
アンドゥートロワァーズというバンド、編成はドラムは初心者、叩いたこともない僕、んで、ベースが先輩の彼女、んで、先輩は、ピアニカ。ピアニカだぜ。あのパプパプ鳴るやつ。んで、ギターがまた違う先輩でヴォーカルがその先輩の彼女。
もう、お気付きだろう。オレはハメられたのだ。パズルのピース、全くサイズ違いのオレを無理くりハメやがったのだ。
ぬるーい地獄のような、オレ以外、ホヤホヤな愛に溢れた、練習の日々を経てアンドゥートロワァーズは発表会のようなライブを一回こなし自然消滅した。
これ以降、オレはロックやポップにピースフルな砂糖をまぶしたみたいな音楽なんてのは幻想だと思うに至り復讐のために自分のバンドを組むことになるのだ。そんなもんフニャチン野郎かカマが聴くもんだろ?となってしまったのである。
ウブな青臭い童貞が負うファーストカットはいつだってディーペストなのやもしれない。トラウマとは恐ろしいものである。青春、いや、その後の人生まで台無しにしてしまう深い業をその時背負ってしまうのだ。
そんなふうに結成されたドメニコドモランテというバンド、僕がチョコレイツに入れてもらう前にやってたバンドです。もうやることもない、と決めてましたが、いろんな偶然が重なって一夜だけオリジナルメンバーで十数年ぶりに4月6日にやろうと思います。きちんとブランクを感じさせる貫禄の恥知らずライブになるでしょうが、他の面子が素晴らしいのでドメニコドモランテでがっかりしても問題無し。是非観にきて下さい。
http://www.twitlonger.com/show/l2jl9n
チョコレイツは3月はお休み。4月の詳細は追って発表いたします。
初回限定CDRも残り僅かですがライブで販売するけろ。まだ手に入れてなければ買ってけろけろ!
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