昨年秋の土曜日の話です。一連の写真が整理できたので載せておきます。
朝、ドイツのS市hotelで目覚め、天気もよさそうだからと大決心して、ICE(在来線の線路を走る超特急:一枚目)に乗ってF市に行きました。目的は一枚のBoschの絵。F市は乗り継ぎで空港には縁がありましたが、市内に出るのは初めて。事前調査がしっかりやってあったので、迷うことなく駅から歩いて美術館へ(二枚目)。入場券をチェックするお嬢さんにBoschの絵はどこにあるのと聞いても、キョトンとされるのみ。"エッケ・ホモ"という絵なんだがと言っても全く思い当たらない風。諦めて、フランドル派の絵の在処を教えてもらって(これはやっと通じた)自分で探しました。画集では読み取れない細部までじっくり見て、あとの絵はざっと流しておしまい。
博物館の前の通りは、のみの市で賑わっていて、あやうく古いラジオを買いそうになりましたが、出張の途中なので我慢して再び駅へ。急いで遅めの昼食をすませ、またICEでS市に。hotelに戻って着換えをし、中央駅から市電に乗り換えてコンサートホールへ(三枚目)。一昨年の4月にサントリーホールで聴いたJulia Fischerの演奏がこの地であったのです。無理なF市日帰りもこれが要因。本来の演目はもとより、アンコールのBachがすばらしかったので十分満足してhotelに戻り、遅めの夕食にありつきました。
一人旅でないと、こんな無茶はできません。今ごろ、こんな話を思い出しているのは、来月の出張と彼女の演奏予定が重ならないことを調べたりしていたからです。残念ですが、そうそう僥倖ばかりもないでしょう。


