これまでに書いたようなことで、私はそれに取り付かれているのですが、それではいったいデッサンの魅力とは何なのでしょうか。何のためにやるのでしょうか。デッサンが売れてお金を稼げる人などめったにいません。あるいはなにか、デッサンをやることで人は幸せになれるとでも言うのでしょうか。
今私が参加している人体のデッサンのサークルは、毎週日曜の夜に地域の公民館で行われておりますが、何人かの同好者が集まってこじんまりと始まってからもう30年も続いております。ここまでこの会が長続きしましたのは、多くの熱心な参加者がいたと言うことによるのだと思います。毎回の雰囲気も和やかなものではありますが、実に皆さん熱心です。その雰囲気に浸っているとデッサンをやることは幸せなことなのかも知れないと思えてきます。
ただしこの会には先生とか指導者と言う方はおりません。お互い輪番制の幹事がいて会計とかモデルの面倒を見ているだけです。この指導者がいないと言うこともこの会の長続きと雰囲気の良さのもとなのだと思います。誰にも口出しされずに自由に自主的に描けることがデッサンに幸せの一つなのでしょう。

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