デッサンを始めてみると「いかに人間の目は普段良い加減にしかものを見ていないか」に気がつくと思います。先にも書いたとおり、主観的な思い込みや視覚以外の触覚や日常的な記憶や経験からくる感覚に邪魔されていて、客観的な正確な形がなかなか理解できないのです。そこで一度徹底的に客観的にカメラのレンズを通してのように、正確に対照を見て描写する能力を身に着けてみようということで行うデッサン勉強が基礎デッサンです。
まず直方体などのごく基本的な形態のモチーフから始めて、曲面や不定形のものも加えて行き、平面が平面に立体が立体に見えるように描けるかどうかを研究して行くのが良いでしょう。
1、形態の正確さ
2、明暗陰影による立体感の表現
3、構図
の三つが主な研究テーマです。デッサンの三要素と考えてください。これについては後でまた詳しく述べます。
そこで本や箱やブロックなどから始めて植木鉢や湯のみ等の円筒形、それらの組み合わせ、果物やサッカーのボールなどの球体のものあるいはガラスのコップや布や衣類、植物の葉などと、だんだん複雑な構造や質感のものへと進んで行

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