ここで視点を変えて、横から見た形で考えて見ましょう。平らな地面に数本の電柱が並んで立っているところを横から見て描いてみてください。そのはしに自分も描きこんでください。
電柱の高さは10メートル前後ですからそれに比べての自分の高さを見当つけて描いてください。大体の比率で描くとBの図のようになりますね。この図で見ると電柱のてっぺんを見るときは、この人は見上げることになり、根っこを見るときは見下ろすことになることがわかります。
一本目ではてっぺんは相当大きな角度で見上げねばなりませんが、二本目はだいぶ角度が小さくなります。つまり一本目に比べて二本目は低く見えるということになります。一方の根っこの方も見下ろす角度が一本目より二本目の方が小さくなっていて、一段上に上がって見えることがわかります。
同じようにして3本目4本目と見ていくと、見えげるてっぺんも見下ろす根っこも角度がだんだん小さくなっていって、ということは電柱そのものは小さく縮んで行って、ついには小さな点になってしまうということです。
一本目の脇に、それを透視して、2本目や3本目がどう見えるかを並べて描いてみると図Cのようになるはずです。この二つの図から、小さくなっていって見えなくなるところが見ている人の目の高さの線のかなたと一致することがお分かりいただけると思います。つまり目の高さの線こそが、パースのもっとも大事な基準線なのです。

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