そもそも、描写と言う行為は人類誕生の初めからあったと思われます。もっとも、はじめのそれは身振り手振りによるダンスのようなものであったようですが。大昔の人は大きな鳥を見てそのことを他人に伝えるためにどのような身振りをしたでしょうか。言語の発達する前に、身振りや記号などがその代わりを務めていた時期があったはずです。
洞窟の壁などに動物の形などをそれとわかるように描ける人が現れたときのその時代の日飛び地の驚きはどんなものだったでしょう。より正確な描写を求めて、人類はアルタミラやラスコーの洞窟壁画のような高度な描写も行えるようになっていきました。呪いのためとか食物への欲求からとかの理由はどうであれ、より正確な描写を求める本能的な欲求が人間にあったから、あのような絵が描かれるようになったのだと思います。
「鳥」とか「魚」とか「鳩」とか「鮭」とか「名付ける」ことで人類はものを認識して行ったと言われますが、同時にそれらのものの姿かたちうをより正確に認識したいと言う気持ちも絶えず抱いていたと思われます。
巨大な野牛の群れに出会ったときの興奮を伝えたい、あるいはその獲物のどこに一撃を加えれば倒せるのかなどを説明したい。そのようなときに、より正確な絵が必要になったのでしょう。

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