本日の京都はとても良いお天気、華子もルンルン気分で散歩です。
暖ったか、陽気、このまま続いてくれれば、体調不良の皆様も楽になるのですが。
さて、愛と憎しみは、コインの表と裏のようなものといいますが、アメリカの哲学者ショーペンハウアーは、そのような人間心理について、次のような寓話(ぐうわ)を残しています。
寒い夜、二匹のヤマアラシが寄り添って身体を温め合おうとしますが、近づきすぎると、お互いのトゲで身体を傷つけてしまい、離れれば寒さに凍えてしまいます。
そこで、二匹のヤマアラシは、それぞれの身体を傷つけず、しかも相手の体温の温(ぬく)もりが感じられる距離を求めて、くっついたり離れたりを繰り返すことになります。
このヤマアラシのこころの葛藤を精神科医のべラックは「ヤマアラシのジレンマ」と名づけ、とくに現代の男女の関係に置き換えることができると指摘しています。
つまり、くっついたり、離れたりする状態は、愛と憎しみの関係だともいうのです。
また、精神分析学の基礎を築いたフロイトは愛と憎しみなどの強い感情は同時に存在すると説きました。
私達は相手に対して愛情が深ければ深いほど、憎しみもまた深くなるといえるかもしれません。「可愛さあまって憎さ百倍」といった俗言は、こうした人間の心理を見事に表現していると思います。
「ヤマアラシのジレンマ」は、決して、男女間だけに当てはまるものではありません、すべての人間関係においても、愛と憎しみとまではいかなくても、当てはまるものと考えられます。人間関係をうまく築いていく上でも、「ヤマアラシのジレンマ」は興味深い寓話といえます。


0