※ネタバレ注意(長文注意…)
2月13・14日におこなわれたWishingのツアー「swingin' MATSUYAMA」の興奮も冷めやらぬ中、今日はジャッキー・チェン師匠待望の新作「ドラゴン・ブレイド」を観て来ました。
TOHOシネマズ系の上映の為、残念ながら松山での上映は無く、わざわざ新居浜まで行っての鑑賞。
この作品は史実を脚色したということで、作品を観る前にある程度歴史の勉強をしてから観ました。
まずはこの作品の背景にある歴史の話から…
紀元前50年の前漢時代に古代ローマ軍の執行官クラッススがパルティアを征服する為に息子のプブリウスを連れて侵攻。
しかし勇猛なパルティアの騎馬軍たちにより敗戦。
クラッススもプブリウスも罠にはまり亡くなってしまいます。
指揮官を失いパルティアの地へ放り出された4000名の兵はローマに帰ることも出来ずさまよいます。
ローマ政府はこの4000名の兵を生死不明として片付けてしまいます。
負傷した兵は倒れ、バラバラになりながらも東へと進んでいきます。
その一部の兵が漢と匈奴(きょうど)の境目にある康居にたどり着きます。
その領土に住むことを許されたことで、後に漢軍と交戦。
漢軍はローマ兵などを生け捕り、現在の甘粛省永昌県へ連行。
漢の西域区の武官である陳湯は彼らを殺すことなく、そこで生活をさせたということでした。
今現在でもこの地域に住む10〜20世帯の人は中国人でありながら彫りが深く鼻も高く髪の毛がカールしていて、いわゆる地中海人の特徴を持っている人がいるということです。
その人たちはそのローマ兵の子孫だとも言われているんだとか。
その歴史をヒントに脚色したのが本作。
本作のテーマもここ最近のジャッキー作品に見られる“平和”を強調した内容で、36の部族とローマ兵による友情を描いたもの。
同じくジャッキー師匠の作品「ラスト・ソルジャー」とかなり似ている設定。
しかしストーリーがかなりざっくりしていて、歴史ものを描いた割にはエンタメ要素が強い印象。(ジャッキーらしいといえばらしいが)
そして共演がジョン・キューザックとアカデミー俳優のエイドリアン・ブロディ。
アクション監督はジャッキー師匠ということもあり、二人のハリウッド俳優も香港アクションをしているのがかなり興味深い!
特にエイドリアン・ブロディは幼少の頃から香港のアクション映画を観ていて、ジャッキーの大ファンらしく、ジャッキーを“Big Hero”と呼んでいたんだとか。
アクションのイメージがない二人もジャッキー師匠にかかれば達人になるのが凄い!しかし、エイドリアン・ブロディは良いのだがジョン・キューザックってこんなに演技下手だったっけ!?と思うくらいルシウス役に合わないのです。
この二人のアクションを見てると改めてジャッキーの演技やアクションにおけるリアクションの凄さを感じてしまいました。
根っからのリアクション俳優なんだと実感。
62歳と思えない動きで、昔にやっていた危険度の高いスタントはもう無理だとしてもここまで動ける俳優は世界でもいないですね〜やっぱり凄い。
ジャッキー映画は外人を使うのが下手なのですが、この作品でもそこは相変わらず…。
プブリウス役の子役も笑ってしまうくらい下手…。
しかしジャッキー師匠は新人女優を見つけるのも上手く、過去にもマギー・チャン(今や大女優となりました)などを発掘。
今回もジャッキー演じるフォ・アンの妻ショーチン役をしていて本作が映画デビューとなるミカ・ウォンなど美人揃い!(めちゃくちゃ綺麗でした。)
本作は元々ジャッキー映画“お約束”のNGシーンが無いのですが、今回かなり無理を言って日本公開版のみエンドロールにNGシーンが導入された貴重なものとなりました。
セル版にもぜひこのNGシーン入りを熱望します!
ちなみに紀元前50年というのは日本では弥生時代とのことで、弥生時代に中国ではこんな近代的な出来事が起こってたんですね〜
凄い…(^^;