※ネタバレ注意
今日は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」を観て来ました。
この作品は、いよいよ始まる「ジャスティス・リーグ」へ向けての第1作目となる作品。
ちなみに“ジャスティス・リーグ”とは1960年にDCコミックに登場するヒーローたちが結成したヒーローたちによるチーム。(だから突然企画された作品ではなくて、元々昔からあったもの。アベンジャーズも同じ)
ここ近年によるマーベル・シネマティック・ユニバースによるヒット作連発の中、DCコミック陣営も黙ってはおれず、DCフィルムズ・ユニバースの第1弾作品として本作が製作。
監督は2013年公開の「マン・オブ・スティール」のザック・スナイダー。
本作は「マン・オブ・スティール」でのスーパーマンとゾッド将軍の対決から始まります。
なので「マン・オブ・スティール」を観てないと全く意味がわかりません。
ついでに2006年公開の「スーパーマン リターンズ」や「スーパーマン」シリーズ4作を観るとよりわかりやすくなってます…。
あと「バットマン」シリーズも観てからでないと難解です…(><)
観に来ていたお客さんの中にも「スーパーマンが勝つに決まってるでしょ?」などと会話も聞こえてましたが、原作ではスーパーマンがバットマンに勝ったためしがなく、まずそこがわからない時点でかなり厳しいものがあります。
ちなみにマーベル側は原作と少々違いはあるものの、ちゃんとアイアンマン単体で製作〜次回作「マイティ・ソー」への伏線を描きながら「マイティ・ソー」製作〜キャプテン・アメリカへの伏線を描きながら次に「キャプテン・アメリカ」製作…といった具合に作り、最終的に“アベンジャーズ”結成へと繋げ、各ヒーローたちの背景が観客にもわかりやすく、実に丁寧にキャラクターを描いていってます。
しかし本作はいきなり「“ジャスティス・リーグ”作りますよ!過去作知らない人は置いていきますよ!」と言わんばかりで、いきなり製作。
なので、原作知らないと分からないという優しくない映画…(^^;
で、感想としては“酷すぎる!”
バットマンもスーパーマンも好きだし、ザック・スナイダー監督の「マン・オブ・スティール」も良かっただけに残念。
キャストだけ見ればメチャメチャ豪華!
マーベル作品よりも豪華かも…(^^;
まずストーリー。
主題はスーパーマンのそのパワーゆえ、地球そのものを破壊しかねない。いわば人類の驚異となる存在。
しかし一方、スーパーマンに救われた人々もいる訳で、本作のテーマとなる「正義とは何か?」というテーマは何と4月公開の「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(キャプテン・アメリカ3)と共通!
まぁ、そこは良いとして…
しかーし!
ラストではその問題がうやむやになっているのです。
しかも予告編でメチャメチャ気になってたバットマンが捕らわれ、スーパーマンが現れるシーンは何と夢落ちという設定…
ホントにガックリきました。
しかも夢落ちシーンが多すぎ…(^^;
一番残念だったのが本作のバットマンもスーパーマンもネチネチと器が小さいこと!
バットマンはクリストファー・ノーラン版の作風を意識して作られたはずですが、クリストファー・ノーラン版の「ダークナイト」では「自分(バットマン)が存在するから悪が生まれる」とか何とか深〜いことを言って自ら人類の犠牲となりました。
「ダークナイト」は今までの勧善懲悪の世界では無い非常に難しいことをテーマに描いたことが評価されました。
これが本作のテーマでもある「正義とは?」と絡めてより深くなるのに…
バットマンのスーパーマンへの執着が酷すぎて、逆に小さく見えました。
スーパーマンも、公聴会へ呼ばれたもののレックス・ルーサーによりたくさんの犠牲者が出てしまいますが、そのスーパーマンは人々を救えなかったと言って旅に出ます…(登山)。
おいおい、「マン・オブ・スティール」でも自分探しの旅に出ただろ!(しかも飛べるのに登山…このワンシーンの為だけに出演したケビン・コスナーも贅沢だ)
何かあればすぐ引っ込んでしまうヒーローって…(^^;
そしてスーパーマンのライバルでもあるレックス・ルーサー。
今回はジェシー・アイゼンバーグが演じていますが、過去にはジーン・ハックマンやケビン・スペイシーといった名優が演じていました。
今回もたしかに上手いのだけど、レックス・ルーサーの性格がただの狂った科学者になってたのが残念…。
地球での母親マーサを人質にされて、レックス・ルーサーに「バットマンと戦ってこい」と言われ悩む間もなく「わかった」と言ってゴッサムに向かうスーパーマン。(もっと葛藤して苦しめよ!)
ゴッサムで二人が戦っていて、バットマンがクリプトナイトの槍で殺そうとするシーンもイマイチで、その槍をロイスが水の中に沈めたけど、ドゥームズデイにその槍が必要になったからまた探しに行くスーパーマン…
二人が対決したのがゴッサムシティにある廃墟とか、ドゥームズデイが落下したのは無人島だから被害者はいないとか…かなり都合良く出来ていて何かグダグタでした…(^^;
しかもいきなりワンダー・ウーマン登場!
レックス・ルーサーから盗んだファイルから“フラッシュ”や“アクアマン”、“サイボーグ”が登場するシーンも。
いきなりヒーロー詰め込みすぎて訳わからんない状態…(^^;
DCヒーロー知ってる人が観てもそう思うんだから、まずほとんどの人は理解するのが難しいと思います。
まずは「ワンダー・ウーマン」って作品を作るべきではないでしょうか?
しかし、今回のワンダー・ウーマン。
何だかカッコいい!
登場するタイミングといい、音楽といい、個人的にこの作品で一番光ってたのが彼女だったと思います。
この状態で9月公開予定のDCコミックに登場する悪だけでチーム結成した作品「スーサイド・スクワッド」公開か…
大丈夫か?DCフィルムズ・ユニバース。
「スーパーマン リターンズ」を監督したブライアン・シンガー監督ならもっとスタイリッシュに、より面白い作品になったと思います。
良くも悪くもあの傑作だったクリストファー・ノーランを引きずりすぎがこの作品をダメにしたのでは!?