※ネタバレ注意
今日はジャッキー・チェン師匠の最新作「スキップ・トレース」を観て来ました!
この作品は香港警察のベニー(師匠)が詐欺師のコナー(ジョニー・ノックスヴィル)と逃亡しながらマカオを目指していくというアクション・コメディ。
監督は「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」のレニー・ハーリン。
ジャッキー師匠が20年以上前から温めていた企画で、当初はジェット・リーとのバディ・ムービーを考えていたらしい。(ジェット・リーのコメディ…観たいかも)
そしてレニー・ハーリン監督は元々「ラッシュアワー」を監督する予定だったが実現せず。(結果ブレッド・ラトナーが監督に。)
その後も「Nose Bleed」でコンビを組むも2001年のアメリカ同時テロで企画そのものが無くなってしまいます。
で、ようやく本作でジャッキー師匠×レニー・ハーリン監督のコンビが実現!
いやぁ…ホント永かった…。
ハリウッド出演作は「ベスト・キッド」以来だから7年ぶり。
今回の相棒は「ジャッカス」シリーズのジョニー・ノックスヴィル。
ハリウッド作品ではアジア人への差別もあり、どうしてもアメリカ人とのバディ・ムービーになってしまいますが、過去のハリウッド作品と比べると一番ジャッキー師匠らしいドタバタコメディに仕上がっていました。
そして新鮮だったのがロード・ムービーとしての一面。
「ベスト・キッド」でたまたま紹介されていた紫禁城や武当山のシーンが世界中で好評だった為、モンゴルや中国文化を紹介していくロード・ムービーになったのだとか。
過去に“ロード・ムービー”風な演出はありましたが(「サンダーアーム/龍兄虎弟」や「プロジェクト・イーグル」他)、これほどしっかりとしたロード・ムービー要素は初めて。
注目のアクションでは小道具を使ったアクションが充実していて、まさに師匠の真骨頂。
予告でも登場していたマトリョーシカを使ったバトルをはじめ、師匠の過去作へのオマージュともとれるアクションが随所に散りばめられていました。
ざっと挙げると〜
工場バトルは「MYTH/神話」や「奇蹟/ミラクル」、マトリョーシカを使ったアクションは「Who am I?」での民芸品(木の靴)を使ったアクション、ファン・ビンビンがベニーの家から逃げて日除けから落ちるシーンは「プロジェクトA2/史上最大の標的」でマギー・チャンがやったアクション、滑車を使い山から山へと逃げるのは「ポリス・ストーリー3/超級警察」など10や20どころではないくらいオマージュの嵐。
キャストも過去のジャッキー師匠の作品に出演した人が多く、まさにジャッキー・ファミリー勢揃い!
エリック・ツァンは「クレイジーモンキー/笑拳」を共同監督し、その後「悪漢探偵」で監督、そして「インファナル・アフェア」ではマフィアのボスを演じるなど多才な人物。
師匠とは大親友で共演作も多い。
ファン・ビンビンは日本で撮影した「新宿インシデント」に続いて2度目の共演。
ウィンストン・チャオは「1911」で孫文役を演じ、師匠とは同志として共演(本作では敵っていうのがまた面白い)
その他にも「ライジング・ドラゴン」ではジャッキー師匠の仲間だったジャン・ランシンが今回は敵役として出演、本作でも見事なアクションを披露。
そして一番嬉しかったのがバスの乗客役としてリチャード・ンの姿が!
白髪まじりで久しぶりに見たけど、これには驚きました。
劇中、ジョニー・ノックスヴィルが歌うシーンではジャッキー師匠の有名な歌「明明白白我的心」を披露。(その後の師匠のリアクションも面白かった)
ジャッキー師匠ファンならたまらない演出ばかりの中、本作では悲しい事故も。
急流下りのシーンの撮影中、筏からジャッキー師匠とカメラマンが川へ投げ出されてしまい、ジャッキー師匠は溺れかけながらも何とか助かりましたが、カメラマンはそのまま亡くなってしまうという事故が起きてしまいます。
ジャッキー師匠も「助けられなかった…」と悔やんでいた姿が印象的でした。
本作のエンドロールではキャストよりも一番最初にこのカメラマンの名前が登場し、哀悼の意を示しています。
久しぶりにジャッキー師匠らしいコメディ(最近は「ポリス・ストーリー/レジェンド」「ドラゴン・ブレイド」等のシリアス路線が続いてた)で、何だか安心。
やはり師匠の作品はこうでないと!
現在63歳のジャッキー師匠。
常に我々ファンのために応えてがんばってくれてますが、今後は体を労りながら新しい作品を作り続けてほしいと思います。
でも63歳であれだけ動ける人なんて世界中探しても師匠以外にはいないだろうけどね…。
12月には師匠初のボリウッド作品の公開も決まっていて、まだまだ勢いが止まりません!( ´∀`)