※ネタバレ注意
今日は「アベンジャーズ/エンドゲーム」を鑑賞。
この作品は前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でサノスにより全宇宙の生命の半分が消えてしまった世界のその後を描いた作品。
監督はアンソニー&ジョー・ルッソ。
出演はロバート・ダウニー Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレッ・ヨハンソン他。
前作の衝撃のラストから一年。
ホントッッッッに待ちに待ったこの作品。
11年間続いたマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成ともいえる本作。
22作目にして一つの区切りを迎えました。
はっきり言って、この作品の感想をネタバレ無しで語るのがもはや不可能。
どの部分言っても必ずネタバレとなります…。
サノスの指パッチンでヒーローの多くが消えてしまいましたが、過去作からの重要な伏線が多数残されていて、それをどう回収していくのかが本作のポイント。
本作で重要だったのが「アントマン」シリーズで説明されていた量子世界での時間経過の概念。
予想した通りアントマンが本作のキーとなりました。
量子の世界でのタイムトラベルによりヒーローたちはインフィニティ・ストーンをサノスより先に集めようとします。
ここで問題となるのがタイムパラドックスの問題。
過去の出来事を変えてしまうと未来に影響が出るということですが、これは劇中でハルクとエンシェント・ワンが分かりやすく説明してくれています。(この伏線がラストのキャプテンの伏線にもなる)
「スパイダーマン:スパイダーバース」でも描かれていたマルチバースの世界をタイムパラドックスに組み込み新しい解釈によって物語が進んで行く訳です。(5次元の世界)
そしてもう一人のキーパーソンとなるのがネビュラ。(別世界のサノスを現在の時間軸に呼び寄せてしまう)
これまでの作品に描かれなかったネビュラの葛藤や心の動きを本作では丁寧に描いており、彼女がある意味物語をリードしていきます。
劇中、ネビュラはもう一人の自分を殺す訳ですが、ここで本来ならタイムパラドックスの矛盾が生まれます。(この他にもタイムパラドックスの問題は色々登場。ホークアイがグローブを持ってきたりとか。)
しかし先ほどの新解釈のおかげでまた別のマルチバースの世界が誕生したにすぎず、この辺りのストーリーの組み立ては見事としか言う他ありませんでした。
シリーズのファンにはたまらない要素として各シリーズの名シーンが再び登場したり(各キャラクターの再演も嬉しいサプライズ)、日本人としては真田広之氏の出演も嬉しい。(マーベル作品は2度目の出演。見事な立ち回りを素晴らしいワンカットで魅せてくれています!)
全ての伏線が回収されたかに思うこの作品もいくつかの"謎"が解明されていないまま終わります。
例えばピーター・パーカーが学校でネッドと再開するシーン。
本作は前作から5年経過してる設定になっていて、さすがにネッドが卒業してないとおかしい。(6月公開予定の「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」で解明か!?)
その他にも劇中ハルクがナターシャを生き返らせようとしたけど「うまくいかなかった…」と語っていて、これもブラック・ウィドウの単独作品が発表されているので、次回作への伏線か??
そしてロキの行方。
キューブを奪ったまま消えてしまったロキのその後は描かれておらず、今後も気になるところ。
で、最大の謎なのがキャプテンがどのようにしてインフィニティ・ストーンを元に戻したのか?ということ。
劇中でも説明されているようにマルチバースの世界を正す為にはインフィニティ・ストーンを正しい時間&場所に戻さないといけません。
特にブラック・ウィドウの命と引き換えに手に入れたソウル・ストーンは元に戻せないのでは!?(同じくジェーンの体内に入ったリアリティ・ストーンも。)
これらの謎が今後どう回収されていくのかにも注目。
スタン・リーのカメオ出演も実現していて、どうやら、スタン・リーが亡くなる前に撮影されていたらしく、意外なサプライズとなりました。
前作でドクター・ストレンジが語っていた「1400万605分の1通りの中で唯一の勝利の方法」というのが、トニーが犠牲になるという悲しい結末。
それを受け入れたトニーにも涙。
エンドロールはこれまでのシリーズとは少し違い、メイン・キャストのサインと一緒に名前が登場するものに。
お馴染みのエンドロール後の映像は無く、最後にマーベルのロゴが登場。
そのバックで鉄をハンマーで叩くような音が聞こえて終わります。
この音は「アイアンマン」でトニーがテロ集団に捕まった際に洞窟内でスーツを作った時の音。
壮大なMCUの物語はこの「アイアンマン」から始まった訳で、まさに「アイアンマン」で始まり「アイアンマン」で終わったということですね。
"ヒーローとは何か"
本作は、サノスに勝利することが決してメインではなく、ヒーローの本来在るべき姿をアイアンマンとキャプテンで対比として描きつつ、家族の物語へと体現してくれた作品ように感じました。(ホークアイの家族への想いやブラック・ウィドウのセリフ、トニーの娘モーガンなどがそのメタファー。そしてペッパーの「私たちは大丈夫」というセリフ。)
鑑賞後はもうボロ泣き(心の中ではスタンディングオベーションしてた!)、それと同時に変な喪失感のような感情も…。
まさにアベンジャーズ・ロス。
(言いたいことはまだまだあるけど)11年間の集大成は映画史に残る名作となりました!