※ネタバレ注意
今日は「search/サーチ」を鑑賞。
この作品は、失踪した娘の手がかりを求め父親がSNSを使い捜索していくサスペンス・ホラー作品。
監督&脚本はアニーシュ・チャガンティ。
出演はジョン・チョー、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー他。
この秋に話題になった全編PCやスマホの画面のみで展開する作品がようやく松山で上映。
全国公開から約1ヵ月遅れ。
松山の上映が最初予定されてなかったから半分諦めていたけど、上映されて良かった…( ´Д`)
で、肝心な本編は~
伏線の描き方が半端なかった…。
毎回言ってますが、自分は映画っていうのは"散りばめられた伏線の回収の仕方"が一番の肝だと思っているんですが、この作品はおそらく一回観ただけじゃ全ての伏線を把握しきれないくらいの情報が描かれていると思います。
途中から行方不明になっているマーゴットの捜査を担当していたローズマリー・ヴィック捜査官のセリフにも違和感を覚えましたが、まさかあのような展開になるとは…。(あとで思い返すと各人物の行動やセリフがガチガチハマる!)
全てに無駄がなく、観客を混乱させるための伏線まで用意。(そこも無駄がない)
例えばYoucastでのポケモンの話だとか、その会話の相手の名前だったりと一見、何でもないようなことを含め、全てがラストの真相に繋がっていきます。
おまけにPC画面の端に出てくる何の関係もなさそうなYahooニュースみたいな写真まで事件のヒントになっているほど。(やたら湖の写真が映っている)
伏線の回収だけのサスペンス映画かといえばそうでもなく、冒頭のシーンでは家族の仲の良さを表現した描写がかなり丁寧に描かれ、母親が亡くなった後はマーゴットと父親のデヴィッドの関係が悪化していることがわかります。
で、ラストはマーゴットのPCの壁紙が父親とのツーショットに変わり、事件を通して父親と娘の関係が修復している描写に変わるなど家族の絆をきちんと描いていたのが素晴らしい。(PC画面でのマーゴットとのやり取りで一度入力したコメントを思いとどまって消したりと文字だけの画面でも心の葛藤が見えたりと芸も細かい。)
予告でのキャッチコピーでも見られましたが"起"となる娘の失踪もどの家庭にもある子供の知らない一面が発端になっていて凄くリアル。
最初から最後までPCやスマホ、タブレットの画面で描かれるといった斬新な手法で撮られていますが、凄いのはその手法…ではなくて(もちろん手法も凄いが。)、ソニー・ピクチャーズというメジャーな配給会社の作品で主人公がアジア人ってこと。
元々、インディーズで製作され、後にソニーが配給権を買ったらしいけど、それでもかなり異例。
しかも監督のアニーシュ・チャガンティ(27歳!)、この作品が初監督作品ってんだからその才能にも驚き!
PC画面のみで展開していることも忘れてしまうほど入ってしまいました。
いや~脱帽…(^^;